Juno's Rope Magic

©1995 Junichi Yananose

全ピース Line 2本の解例

12枚を長方形に並べて、「Loop」、「Line」をつくるパズルです。ピースはそれぞれ両面に線が描かれています。ピースの裏側に描かれている線は、表側の反対(鏡像)になっています。

「Loop」は、ピースに描かれた線がほかのピースの線とつながって、輪になった状態をさします。「Line」は、ピースに描かれた線が、ほかのピースに描かれた線か、ピースをおさめる長方形の外周に接していなければなりません。

Loopの正しい例 Lineの正しい例 Lineのだめな例

下図は、12枚のピースを4×9の長方形におさめて、2本の「Line」と1本の「Loop」をつくった例です。例を参考にして、下に用意した問題に挑戦してみて下さい。

4×9の解例

問題

  1. 12枚を6×6にならべて、1本の「Loop」をつくって下さい。
  2. 12枚を6×6にならべて、1本の「Line」をつくって下さい。
  3. 12枚を6×6にならべて、2本の「Loop」をつくって下さい。
  4. 12枚を6×6にならべて、「Loop」と「Line」を1本ずつつくって下さい。
  5. 12枚を6×6にならべて、「Loop」と「Line」を2本ずつつくって下さい。
  6. 12枚を4×9にならべて、1本の「Line」をつくって下さい。
  7. 12枚を4×9にならべて、「Loop」と「Line」を2本ずつつくって下さい。
  8. 12枚を3×12にならべて、「Loop」と「Line」を1本ずつつくって下さい。

Flashで遊ぶ

下の画像をクリックすると6×6をベースにした問題をFlashで遊ぶことができます。

Flashでつくった問題 by ためんたいこ

解の調査

12ピースを使ってつくることができる長方形は、6×6、4×9、3×12、2×18の4種です。それぞれの長方形についての解数は下表の通りです。これらの解数は、パズル懇話会の田中吾朗氏によって検索されました。

base 6×6 4×9 3×12 2×18
. Loop total Loop total Loop total Loop
0 1 2 0 1 2 0 1 0
Line 0 0 1 4 5 0 0 0 0 0 0 0 0
1 35 69 8 112 10 64 15 89 0 24 113 0
2 2001 1608 7 3616 1804 1636 18 3458 160 1368 4986 0
3 15874 6902 0 22776 24658 6692 0 31350 6784 13464 51598 0
4 37640 5172 0 42812 78586 7676 0 86262 64368 18640 169270 200704
5 27010 1336 0 28346 80502 672 0 81174 164544 5888 251606 1338368
6 6912 0 0 6912 29712 0 0 29712 71680 0 101392 2979840
7 0 0 0 0 1856 0 0 1856 12288 0 14144 4128768
8 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 884736
total 89472 15088 19 104579 217128 16740 33 233901 319824 39384 593109 9532416

※表の見方

下図は、ピースを4×9の長方形に並べて、「Loop」を1本と「Line」を3本つくるときの解数(6692解)を示しています。表に出ていない本数の解は存在しません。「Loop」を3本つくる解はないこと、ピースを6×6に並べて1本の「Loop」をつくる問題には、解がひとつしかないことなどがお分かりいただけると思います(全体を回転させたり、裏返してできる解は同一とみなします)。

このパズルのつくり方

パズルを楽しむだけならB5サイズ程度の厚紙があれば十分でしょう。裏面も使用するので、両面が同じ色のものを用意するか、厚紙を2枚あわせにするといいでしょう。1単位を2~3cm程度にすると遊びやすいと思います。12枚のL型(Lテトロミノ)を切り出したら、マジックやサインペンで裏表に線を引くだけです。これだけで当分の間、時間がつぶせると思います。写真の作品は木のピースに溝をつけています。クロスバイスと言う、前後左右にハンドルで動かせる万力にピースをくわえ、卓上ボール盤にセットした、エンドミルと言う切削工具で溝加工をしました。一品ものの場合は、ピースに簡単な作図をして、それを目安に加工してもいいのですが、大量に加工する場合は、クロスバイスにストッパーを取り付けると効率があがります。このパズルは、「第18回世界パズルパーティ」での交換品に使用したのですが、そのときは約100セットの溝加工をしました。作業1日目の半分は、クロスバイスにストッパーを取り付けるための加工に費やし、途中、木工をやってるのか金属加工をしているのか首を傾げる場面もありましたが、はじめに環境を整えたことで、その後の作業効率が大幅にアップしました。

今回撮影用に使用したものは、溝の中に着色を施しています。最初は無着色のまま撮影してみたのですが、溝の判別がしづらかったためです。木に染み込むステイン系の塗料があったので使用してみましたが、マスキングの必要などもなく、容易に着色できました。はじめに色を染み込ませたピースを用意して、あとから溝をつけるのもおもしろそうです。