Juno's Spinnerは、私が1998年5月から研究している幾何学モデルです。簡単な操作で変形(拡大、収縮)し、変形の課程では様々な多面体形状をとります。当初「連動して変形する多面体(略称: れへた)」と呼んでいましたが、他者の作品との判別も困難ですし、知人からの「もっと呼びやすい名前があった方がいい」とのアドヴァイスもあって命名しました。Junoはイギリスの知人が私につけたあだ名です。
Juno's Spinnerにはさまざまな種類があり、それらの多くは多面体を基本としています。Juno's Spinnerは複数種のエレメントをジョイントで結合してできており、ジョイント部分で回転運動が伝達されることで、モデル全体としても連動して変形します。
Juno's Spinnerのなかでプラトン立体を基本にしたものは、いずれも2種のエレメントを結合してできています。ここで、多面体が収縮してプラトン立体の形状をとるときに、立体の表面を構成するエレメントをA、そのほかのエレメントをBと呼ぶことにしましょう。5種のプラトン立体を基本にしたモデルにおいて、多面体を構成する要素数は以下のようになっています。
Type | Element-A | Element-B | Rotational Joints |
|
---|---|---|---|---|
正20面体 Icosahedron |
20 | 12 | 60 | |
正12面体 Dodecahedron |
12 | 20 | 60 | |
正8面体 Octahedron |
8 | 6 | 24 | |
正6面体(立方体) Cube |
6 | 8 | 24 | |
正4面体 Tetrahedron |
4 | 4 | 12 |
ベルギーのHugo F. VERHEYEN氏は、かなり以前に、同様の連動して変形する多面体に関する研究をされています。1981年に出版された、Hugo氏の「AN ALTERNATIVE GENERATION AND TRANSFORMATION THEORY FOR UNIFORM POLYHEDRA(3d edition)」では、彼のすばらしい研究成果を目にすることができます。