2016年08月09日 23:26   オーストラリアの国税調査、センサス、Census

Juno

オーストラリアで5年に1度行われる国税調査(センサス、Census)で、センサスのサイトがこけて祭りになったので調べてみました。IT後進国のオーストラリアでは、よくあるような話です。

祭りを把握した夜8時頃、センサスのサイト、census.abs.gov.auへの接続確認をしました。Windows機でコマンドプロンプトを起動し、tracert census.abs.gov.auとコマンド入力してEnterキーを押すと、自宅からセンサスのサイトへの接続経路を表示してくれます。

Tracertの結果

c-20198-6159-VAIES-218-908.cust.nxg.net.au [150.207.149.254]というホスト以降、「要求がタイムアウトしました。」となって、接続に失敗しています。

センサスのサイトは、IBMオーストラリアに委託されています。サーバのIPアドレスは、Nextgen Groupというグループ会社の所有です。上記画像で接続失敗の直前に経由したホスト、nxg.net.auも、この会社のものです。Nextgen Groupは、結構大きい会社なのに、お問い合わせフォームの記入内容を暗号化せずに送ってしまう、牧歌的なオーストラリアのたたずまいを残しています。

センサスのサーバのIPアドレスが150.207.169.5なので、Pingコマンドを打って、簡単な接続確認もしてみます。

Pingの結果

ここでも「要求がタイムアウトしました。」となるのでダメですね。センサスのサイトに問い合わせた中には、ブラウザを変えてみろとか、最新バージョンのブラウザを使えと進められた人もいるようですが、WEBサーバに接続できないのですから、何をやってもダメです。

夜9時か10時頃に、再度、Tracertでセンサスのサイトへの接続経路を確認しました。

Tracertの結果

「要求がタイムアウトしました。」となるのは、同じですが、接続経路が変わっています。センサスの中の人がもがいているようです。

なんか、tengigabitethernet7-1.chw50.sydney.telstra.net [203.50.20.193]という、めっちゃ早そうなホストを経由しています。「やべえ、思ったよりいっぱいアクセスが来ちゃったよ。」みたいな声が聞こえてきそうです。

さらに、ibm1809237.lnk.telstra.net [139.130.72.186]というホストも出てきて、いよいよIBMが腰を上げたかという感じです。

センサスのサーバのIPアドレスも、150.207.169.5から150.207.169.8に変わりました。

夜11時頃、ついにセンサスオーストラリアが敗北宣言しました。ちょっと前まで、「15分ぐらいしたらまたアクセスしてね。」みたいな表示をしていたのですが。

ABS Census

さて。翌朝、今朝になってTVでABC24のニュースをつけたら、「センサスのサイトがハッカーにアタックされた」というテロップが流れています。困った時のスーパーハッカーがついに登場しました。何かトラブルがあったら、とりあえずハッカーのせいにしておけば、本当の原因をつくった人が免責される可能性が高くなります。

朝になっても、まだセンサスのサイトにはアクセスできないようで、文句を言っている人がいっぱいいます。朝7時半頃、再度、Tracertで接続経路を確認してみました。

Tracertの結果

前回の結果とほぼ同じですが、センサスのサーバのIPアドレスは、150.207.169.5に戻っていました。一時的にホストの接続先を切り替えて、その間にごにょごにょやっていたのでしょうか。まあ、接続できないことに変わりはないです。

オーストラリアのことですから、十中八九、予定より復旧に時間がかかるでしょう。まあ、「非公式」としながらも、9月23日がセンサス提出の締め切りなので、それまでには直って.....

直るかなあ。

8月12日追記。

8月12日現在、センサスのサイトにアクセスできるようになっていますが、tracert、pingともに「要求がタイムアウトしました。」となります。センサスのサーバ側で、これらのアクセスを拒否する設定にした(もしくは、元からそうなっていた)のかもしれません。

サーバ復旧後は、センサスのサイトで「Complete my Census」と書かれたボタンをクリックしたときの接続先が、stream20.census.abs.gov.au、stream41.census.abs.gov.au、stream42.census.abs.gov.auと、多岐にわたるようになりました。接続先ホストを分けることで、負荷の分散をはかるようにしたのでしょうか。

センサスのトラブルがニュースになり、その後、「9月23日が締め切り」という話を多く耳にするようになりました。このような案内をすると、また9月23日になって、サーバがこけるんじゃないかと心配になってきます。はじめから、「8月9日現在のスナップショットをとるのが目的だから、8月○日~9月○日の間に、8月9日現在の状況を提出してね。」のように案内するだけで、アクセス集中による弊害を軽減できてのではないかと思います。

2013年03月03日 01:17   オーストラリアのTAFEを卒業

Juno

2013年2月22日(猫の日)付で、TAFEの大工コースを修了し、Certificate IIIを取得した。申込、入学時に知らされていた期間は、2013年6月末まで。その後、2012年後半になって、「クラスの進捗状況がいいから、修了を早めることを、学校が検討している」とアナウンスされた。2012年暮れのSchool Holiday直前に、「2013年3月末までに、クラスの全員が修了する前提で進行する」ことが決定した。

TAFEの大工コースの学習形態には、つぎのようなものがある。

  1. コンピュータに向かって行うテスト
  2. 図面を書いたり、解答用紙に記入する紙ベースの課題
  3. 実技
  4. 学校を離れて行う、無給の職業訓練(Vocational Placement)。計400時間

上記の4項目のうち、4は、2012年の7月に終わらせた。1も、2012年の10月頃には、終わらせていた。授業は、朝7:30からスタートするものの、生徒の集まりが悪いあいだは、先生を交えた(授業と関係ない)雑談となることが多い。高い授業料を雑談に費やすのは、ばかばかしいので、ほかの生徒がおしゃべりをしているあいだに、黙々と課題をこなしていた。

2012年暮れからスタートするSchool Holidayの少し前に、私と友達の課題が紛失する事件が起きた。前記2の紙ベースの課題で、この課題をこなすのは、かなり時間がかかる。進行が遅れている生徒は、ほかの生徒の課題を「ちょっと見せて」となることが多い。過去には、カンニング(ほかの生徒の課題を丸写し)が発覚して、先生からの警告が発せられていた。

紛失した友達の課題は、別の日に見つかった。誰かが友達の私物のバッグから抜き取り、あとで元に戻したようだった。私の課題は、教室内のキャビネット(鍵は、かからない)に保管されている専用のフォルダから抜き取られていた。結局見つからなかったので、同じ課題をやり直すのに、2時間ぐらい費やした。友達、私ともに、ほかの生徒が終わらせていない課題を、先に終わらせていた。なぜ被害の対象となったかは、容易に想像できた。カンニングの情報源としては、うってつけだった。

この事件があってから、「早く卒業して学校を離れたい」という思いが強くなった。本来、教室内に保管することになっていた自分の課題も、毎日持ち帰るようにした。持ち帰ることをとがめられたら、学内のセキュリティが不十分であり、自己防衛上そうせざるをえないことを主張するつもりでいた。

School Holiday中、自宅で、2の紙ベースの課題を全て終わらせ、残るは、3の実技だけとしていた。結局、最後の学期が始まってから学校へ行ったのは、6日間だけ。そのうち2日は、仲のいいクラスメートのサポート(実技は、1人だと困難なものがある)と、先生のヘルプに行っただけなので、自分の課題を終わらせるのにかかったのは、4日だけだった。

今は、Certificate取得後の、つぎのステップに向けて動いている。去年の後半から準備を進めてきた。


2011年の5月に、TAFEに入学申込をしたあとのことも、書いておく。

2011年7月スタートのコースに参加できるかどうかは、学生ビザが下りるかどうか、入学に必要な英語のスコアを取れるかどうかにかかっていた。

学生ビザは、英語のテストの結果が出る前におりた。TAFEから移民局に「この入学希望者は、現在英語のテストを受けている最中である」という連絡が行き、それを受けてビザ発行となった。

ビザがおりて数時間後に航空券の手配をした。英語のスコアがだめでも、とにかく渡豪し、7月のTAFE入学が不可なら、英語の学校に通うつもりでいた。

英語のテスト、IELTSの結果が出たのが6月24日。幸い、必要スコアをクリアしていた。7月1日に日本を離れることになっていたので、1週間ほどしか残されていなかった。TAFEに、英語のテスト結果を急いで連絡し、IELTSの結果(証明書)は、TAFE宛てに送られたことを伝えた。日本を離れる3日前に、「(TAFEの)オリエンテーションでお会いしましょう」の返信をもらった。


TAFEなど、オーストラリアの学校に入学するために英語のテストをうけるというと、IELTSじゃないとだめと思っている人もいるかもしれない。実際は、入学案内をちゃんと読むと、IELTSの場合は、スコア○○以上、TOEFLの場合は、スコア○○以上、ISLPRの場合は、スコア○○以上のように書かれていたりする。IELTSは、試験実施の頻度も低く、試験を受けられる場所も限られるので、頻度、場所ともに選択肢の多いTOEFLを受けるのも手だと思う。

私が通ったTAFEの入学案内に書かれている、TOEFLについての要件は、つぎのようになっている。

Test Of English as a Foreign Language (TOEFL) - score of 530 (paper-based) or 197 (computer-based)

が、今現在、TOEFLのPBT(paper-based)、CBT(computer-based)のテストをやっているところは、ほとんどない。iBT(Internet-based)が主流で、スコア(満点)も全然違うので、「入学するのに何点とればいいか」が分からない場合は、直接、入学を希望している学校に問い合わせてみるといい。

TOEFLを主催しているETSのサイトに、各テストのスコア換算表(PDF)があるが、直接、学校から「iBTなら○○点以上」と聞くほうが確実だ。

2011年05月01日 15:00   TAFEへの問い合わせ、入学手続き

Juno

日本脱出の方便として、TAFE(オーストラリアの職業訓練校のようなところ)への入学と学生ビザ取得を目指すことにしました。

TAFE入学関連のことを、ビザサポートをうたうサイトやTAFEのサイトで調べたものの、分からないことも出てきました。私が狙いを定めたのはQLD州のTAFEで、7月スタートの大工(Carpentry)のコースに通うものです。ですが、今から入学申込をして間に合うのか、具体的にどのように手続きが進むのか、はっきりしません。分からないなら聞いてしまえということで、入学希望のTAFEに問い合わせのメールを出し、以下のようなことを伝えました。

  • TAFEに入学し、7月スタートの大工のコースに参加したいこと。
  • 入学申込の締め切りがいつか知りたいこと。
  • IELTSのテストと健康診断は、6月に行う予定であること。
  • 今は日本に居て、渡豪の準備をしていること。

オーストラリア時間のことは耳にしていたので、返事を数日は待つことになるかと思いましたが、翌日には返信メールが届きました。件のコースは今現在3席が空いており、入学を希望する場合できるだけ早く手続きするようにとのことでした。

善は急げということで手続きを進めます。TAFEから送られてきた入学申込のフォーム(PDF)に記入し、パスポートのスキャン画像など、現時点で提出可能なものをメールに添付して送信します。同時に、すぐには提出できないものがあることを伝えました。最終学歴の証明(Academic history)は、ゴールデンウィークが開けるのを待って母校に依頼しないといけません。IELTSのテストは6月に受験予定で、結果を提出できるようになるのは、6月末見込みであることを伝えました。

翌日またTAFEからの返信があり、「キャンパスでお会いできるのを心待ちにしています」という挨拶文とともに、手続きの進行に必要な情報、ドキュメントが送られてきました。

  • International Student Offer (Offer of place)という入学申込の確認書類のようなもの。必要事項を記入し、サインをして提出。
  • 1学期分の学費の領収書。
  • Overseas Student Health Coverという、留学生を対象とした保険の領収書。
  • 最終学歴証明。卒業した学校(高校、大学、大学院など)で英語版の成績証明を発行してもらう。
  • サブクラス572の学生ビザを取得したことを示すコピー。ビザ取得後に提出。
  • 英語の熟達度の証明。IELTSなどの英語のテストで必要なスコアを取得したことを証明するもの。

相変わらず、すぐには提出できないものが残っていますが、用意できたものから提出しました。その都度、「今は待ちなので、これとこれは提出できない」ということを伝えるようにしました。

1学期分の学費と保険の代金は支払いましたが、お金を払ったあとで、ビザが下りない、IELTSのスコアが足りないということに困ります。これについても事前に確認をし、「7月スタートのコースに参加できない場合は、翌年2月スタートのコースに参加できる」という旨の返信をもらいました。ことがうまく運べば2011年7月からTAFE通学がスタートしますが、どこかで失敗したら2012年2月スタートになります。ビザが下りさえすれば事前に渡豪できるにしても、7ヶ月もスタートが先になるのは、なんとしても避けたいです。これは、かなりのプレッシャーになりました。

2011年04月26日 15:00   移住目標をオーストラリアに変更

Juno

英語が第一言語の先進国のなかで、どこが移住先として適当か。長期のビザや永住権の取得が容易か。色々と調べた結果、最も壁が低いのがニュージーランド、その次がオーストラリア、大きな差があってカナダ、イギリス、アメリカのような順ではないかと判断しました。

例えば、アメリカで就労ビザを取得する場合、一度ビザを取得したあとで職種を変更するとビザの資格を喪失することがあるようです。投資ビザの場合も調べてみましたが、ニュージーランド、オーストラリアとほかの3国では、必要とされる投資金額に大きな差があります。どの国が移民に対して大きく門戸を開いているかが分かってきました。

ニュージーランドは、色々な面でオーストラリアの影響を受けています。制度もオーストラリアと同様のものを取り入れており、職業訓練を経て就労ビザや永住権の取得に繋げる道があることが分かってきました。

移住先の第一候補をニュージーランドではなく、オーストラリアにしたのは、つぎのような理由からでした。

  • 趣味のパズルの集まりで2001年にはじめて会い、その後も親交のある知人(夫婦2人暮らし)がオーストラリアにいる。
  • 以前、妻がオーストラリアにワーキングホリデーで行っていたこともあり、ある程度勝手が分かっている。
  • 地震がほとんどない。ニュージーランドは、環太平洋地震帯にあるので、日本ほどではないにしても心配。
  • オーストラリアのほうが暖かい。寒さに弱いので、ニュージーランドだと苦労しそう。
  • オーストラリアのほうが仕事がある。職業訓練から就労ビザに繋げるような場合も、オーストラリアのほうが職業訓練のコース、職業の選択肢が多い。
  • オーストラリアのほうが経済面で強い。色々な意味でニュージーランドはオーストラリアに依存しており、ニュージーランドからオーストラリアに出稼ぎにくる人が多いそうです。ニュージーランドに移住して、そのあとでオーストラリアに出稼ぎに行くようになるよりは、最初からオーストラリアがいい。

オーストラリアに目標をしぼったあと、豪在住の知人にメールを出しました。知人には以前にも日本で住むことをあきらめたことを伝えており、そのときに、「オーストラリアに避難するのなら、うちに泊まって再スタートの準備をすればいい」と申し出てくれていました。この知人の協力をえられたことがとても大きく、彼らの協力がなければ、移住の際の苦労がはるかに大きくなっていたはずです。今でも彼らに助けられることが多く、感謝しきれないぐらいです。

知人には、TAFEに通い、そこから就労ビザや永住権取得に繋げたいという意向も伝えました。当初、生活コストを低く上げられそうなNSW州のTAFEに通うことを考えていましたが、とても協力的な知人宅に近いほうがなにかと心強いと思いなおし、QLD州のTAFEへの入学を目指すことにしました。

記事の末尾です

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