2011年03月17日 15:00   日本脱出を決意

Juno

寿命が縮むかことを覚悟したうえで今の場所に住み続けるにしても、その前提として、福島第一原発の事故対応が適切に行われなければいけません。ですが、ここ2、3日のあいだでも、「それはないだろう」と思うようなことが多々ありました。

3号機爆発によって、日本という国が沈むことは、確定的になっています。汚染された土地に住む人、事故によって被害にあった人をもれなく保証するのは、不可能です。チェルノブイリ原発の事故が旧ソ連崩壊の要因のひとつとなったように、福島第一原発の事故は、日本という国に致命的なダメージを与えました。にも関わらず、事故の被害を過小に見せかける対応が続けられ、根本的な対応は、行われませんでした。この段階で、次のようなことが国民に伝えられるべきだったと考えています。

  • 福島第一原発の事故は、日本という国にとって致命的で、これから先長いあいだ、日本は、厳しい状況に置かれる。日本は、貧乏国になってしまう。
  • 事故による被害があまりにも甚大で、被害への保証をしたくても保証できない。財源がない。そのことを納得してもらったうえで、国としての対応を進めざるをえない。
  • 汚染がひどい地域は、今後長期にわたって住めなくなる。放射性物質の拡散を抑えるためにも強制避難地域とし、全てのものの移動は、制限せざるをえない。
  • 汚染が相対的に低い地域も、放射能汚染による悪影響をうける。汚染状況を公開し、その値を把握してもらったうえで、国民に我慢を強いることになる。
  • 逃げたい人全員が逃げることすら困難。皆が損害を被るなかで、できるだけ公平な対応(国民全員が公平に損をする)を取らざるをえない。

妻とも相談し、日本を離れることを決意しました。決意したあとは、海外の知人にそのことを伝え、協力をしてほしい旨訴えました。下記は、当時出したメールでよく使ったフレーズです。

I guess one third or half area of Japan will be a place where is not suitable for live in. We would like to live in the English‐speaking world. I appreciate your help for our evacuation.

これらのメールを出したとき、内心では、「住めなくなるのが国土の1/10程度でおさまってくれれば、まだ救いがある。なんとかそうなってほしい。」と思っていました。ですが、チェルノブイリ原発の事故と比較すると、悪いほうに転んだときに、国土の1/3から半分が住むのに適さない地域になってもおかしくないです。

2011年8月現在、従来の放射線管理区域の定義を厳密に適用すると、住むのに適さない地域は、悪いほうの予測に近いものになっています。それどころか、汚染された物質の拡散を促進し、日本全体が住めなくなってしまうような対応がとられています。

2011年03月14日 15:00   これから先どうするか

Juno

今後のことを考えました。近々のことと長期的なことがあります。

近々のこととして、会社に次のことを伝えました。

  • 福島原発の事故後の安全性が担保されるまで出社しないこと。
  • 出社することで、健康や生命を危険にさらすリスクが高いと思われること。

長期的なこととしては、次の選択肢を検討しました。

  1. 寿命が10年ほど縮むかもしれない可能性を覚悟したうえで、今の場所(神奈川県伊勢原市)に住み続ける。
  2. 実家のある高知県、もしくは国内のほかの場所に移り住む。
  3. 日本を離れる。

妻とも相談し、このときは、1を選択しました。今の場所を離れるとしたら、仕事や住まいなど、重い決断を迫られます。放射性物質による汚染は、多かれ少なかれ寿命や健康にマイナスの効果を与えます。それがどのぐらいになるかは分かりませんが、受け入れざるを得ないと判断しました。

1~3のどれを選ぶにしても、今日明日に動くことはできません。私も妻もペーパードライバーで車を所有していません。猫も4匹います。また、停電、ガソリン不足で、移動が困難な状況にありました。いずれにしても、降下した放射性物質が落ち着き、大気中の放射性物質がある程度減少するまでは、引きこもるしかないと判断しました。

TVでは、「買いだめは不要」と、しきりに報道されていましたが、我が家では、少なくとも1週間は籠城するつもりで買いだめをしました。猫のエサや猫砂は、あとになって振り返ってみると、3ヶ月分ぐらいの量を確保していました。「買いだめは不要」と言う人が、私や家族の安全を保証してくれるのなら、従ってもいいでしょう。ですが、原発の事故後2~3日のあいだだけでも、多くのウソがありました。ウソに騙されていたことをあとで知っても遅いです。私は、自分や家族の人生、生命を他者の判断にゆだねたくありません。そして、自分が生きのびなければ、ほかの人を助けることもできません。生き延びるためには買いだめが必要と判断し、実行に移しました。

2011年03月14日 03:00   放射性物質の飛散に備える

Juno

3月15日の空間線量率

3号機の爆発により、ウラン、プルトニウムを含む放射性物質が飛散した可能性が高まりました。海外マスコミは、レベル6の災害発生を告げています。

地図で福島原発と自宅、福島原発と勤務先の距離を確認し、放射性物質が風で流されたときに、どのぐらいで到達するかを計算しました。そして、風向きや風の強さによって、早ければ数時間、もう少し時間がかかった場合も、半日から1日程度で到達すると予測しました。

自宅の全ての窓を閉め、雨戸も閉め切り、通気口も塞ぎました。浴槽に水を張り、調理中の換気扇の使用も控えました。近所の人が普通の生活を続け、外に洗濯物を干しているなかで、我が家だけは、おかしなことをしているようでした。

政府、東電、マスコミは、放射性物質の飛散状況についての情報提供をしません。そこで、手がかりとして、我が家から見て風上に位置する茨城県の空間線量率データを参考にしました。

右の画像(クリックすると拡大します)は、茨城県ひたちなか市の3月15日午前の放射線量を示したもの(単位=nGy/h)です。未明に2桁だった線量が朝になって激増し、4桁になっています。放射性物質を含む空気が、ひたちなか市まで到達したと見ていいでしょう。

昨今、比較的なじみが深くなった単位で表すと、値が高いところで3~4μSv/h(マイクロシーベルト毎時)です。チェルノブイリなどで起きた事実に目を向けると、「この日本でも大変なことが起きている」と認識せざるを得ませんでした。

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