2011年03月12日 09:00   知人からのメール

Juno

地震発生から1日ほど経ってから、「大丈夫か」と心配する海外の知人からのメールが届きだしました。最初にもらったメールへの返信で伝えたのは、妻と4匹の猫が無事であることぐらいでした。

3月13日になってからは、上記のこととあわせて、「福島原発の事故について心配していること」、「原子炉のひとつで、プルトニウムを混合したMOX燃料が使われており、危険性がより高いこと」などを伝えました。

3号機でMOX燃料が使われていること、通常の軽水炉よりプルトニウムの含有率が高いことも、日本の旧来のメディアでは、触れられませんでした。海外のメディアが当たり前のようにプルトニウムについて言及しているのに、国内では、そもそもプルトニウムが存在しないかのような報道がなされていました。

プルトニウムの存在がある程度知られるようになったのは、爆発から2週間ほど経ち、自由報道協会上杉隆氏が東電の記者会見で「プルトニウムが検出されてないのは本当か? どれくらいの期間、検出されていないのか?」と質問してからでした。しかも、そのときの東電側の回答は、「プルトニウムは検出されていないのではなくて、測っていない。測る計器も持っていない。」というものでした。

測っていないということもウソで、実際は、3月21、22日に測定依頼が出されていました。一事が万事この調子で、あとになってから「やっぱりこうでした」と悪い結果が知らされます。大本営発表を待っていたら殺されると思い、海外メディアや反原発の立場にある組織からの情報収集を強化しました。

2011年03月12日 06:45   原発の外でセシウム検出

Juno

原発の外にあってはいけないセシウムが、原発の外で検出されました。またしても、「閉じ込める」機能が損なわれていることを示す情報です。

この段階で、京都大学助教の今中哲二氏は、「水蒸気爆発が起きる可能性」、「最悪の事態」について言及しています。今中氏は、事故が起こる前から、「原発で大事故が起きると周辺の文化や地域が全てなくなる」ことを述べていました。原発の危険性を認識し、反原発の立場に立つようになった今中氏らの主張にもっと耳を傾けていたら、ここまで酷い状況にはならなかったかもしれません。

現実は、今中氏らが「悪い方に転ぶとこうなる」と予測したように進んでゆきました。水蒸気爆発こそ起きていないとされていますが、恐れていた最悪の事態、とてつもない被害が現実のものとなりました。

政府、事故の当事者、旧来のマスコミからは、「爆発的事象」、「格納容器は無事」、「レントゲン検査と比べてもたいしたことはない」、「念のため」のように、安心、安全を煽る情報発信がされました。仮に今、本当に大丈夫だとしても、ここから先悪い方に転んだときにどうなるかという疑問には、答えてくれませんでした。

2011年03月12日 06:36   福島第一原発1号機爆発

Juno

15:36頃、福島第一原発の1号機が爆発しました。

この爆発があったことに私が気付いたのは、17:00前後でした。私は、有事には2chのニュース系スレッドをチェックします。新聞やTVなど旧来のメディアは、インターネット、こと2chのようなところを低俗なものと見なしがちですが、情報のスピードという点で、旧来のメディアはインターネットのメディアにかないません。「何か変わったことが起きた」ということを知りたいときに、2chをチェックしていれば、すみやかに情報源にたどり着けます。玉石混淆の情報のなかで、どの情報に食いつくか、何を信じるかは、情報を受け取る人次第です。

2chの閲覧は、ブラウザのFirefoxにchaikaというアドオンを入れておくのがお勧めです。別ウィンドウで開く一部のページに対応していないAmazon Kindle(電子ブックリーダーですが、3G対応版は、世界中の広範囲で無料でインターネットにアクセスできます)では、ホームページの圧縮表示サービスを提供しているSkweezerを介したURLをブックマークして利用しています。

原発の話に戻ります。

TVで流される映像やニュースで、1号機の爆発が誰の目にもあきらかになってから、ますます「安全」、「安心」、「大丈夫」が強調されるようになってきたと感じました。TV出演した東工大教授の有富正憲が、「爆破弁を使って圧力を下げた」のような、思いつきのウソを言い立てたのもこのときです。

「福島第一原発1号機に爆破弁が用いられているかどうか」は、すぐに裏がとれる話でしょう。にも関わらず、分かっているはずのことが報道されません。分かっているのかいないのかをあいまいにしたまま、良い方向に転んだ場合の希望に基づく報道が繰り返されました。

原子炉建屋断面図

TVでの事故の解説で、しばしば、上記のような原子炉建屋の断面図が用いられました。上記画像で「SF」と書かれているところが使用済み燃料プールです。原子力発電所には、普通、使用済み燃料プールがあります。なのに、TVの解説に用いられた断面図では、使用済み燃料プールのあるべきところが、何もない空っぽの部屋のように描かれていました。TVの報道で、使用済み燃料プールの存在が禁句でなくなったのは、ずっとあとになってからでした。

建屋の上部が吹き飛んでおり、その建物の上部に使用済み燃料プールがあることは、確認をすればすぐに分かることです。取材でそのような確認すらしていないとしたら、報道機関としての役割を全く果たしてないということです。国内マスコミへの不信感はますます強くなり、海外メディアや、以前から反原発の立場にある組織、事実のみを淡々と流す組織からの情報を求めるようにしました。

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